数あるWebマーケティングの手段のなかでも、メールマーケティングは顧客との関係を築くために非常に有効な手段です。
しかし「メール経由の売上が横ばいで、なかなか成果が伸びない」「顧客に合わせたメールを送りたいけれど、手作業では限界がある」といった課題に直面している担当者も多いのではないでしょうか。
このような課題を解決し、メール施策の効果を最大化するために効果的なのが、CRM(顧客関係管理)との連携です。
そこで今回はメールマーケティングとCRMを組み合わせることで得られる具体的なメリットや、成果を出すための実践的なノウハウ、成功事例まで徹底解説します!
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メールマーケティングとCRMの基本
メールマーケティングとは?
メールマーケティングとは、企業が顧客や見込み客に対してメールを一斉送信することでアプローチするマーケティング施策です。
単に読み物としての文章を送るだけではなく、ECサイトであれば商品の告知やキャンペーン情報、顧客ごとの購入履歴に基づいたレコメンドなど、さまざまな販促の目的で活用されます。
メールマーケティングは、見込み客を育成する「リードナーチャリング」や、既存顧客との関係を深めてリピート購入を促す「リテンションマーケティング」の手段として、デジタルマーケティングにおいて欠かせない手法のひとつです。
しかし、ただメールを送るだけでは効果は期待できません。
開封率やクリック率を向上させるためには、件名や配信時間帯の最適化だけでなく、顧客の興味関心に合わせたパーソナライズが重要になります。
さらに、メールの誤送信や情報漏洩といったリスクに備えるためのセキュリティ対策も不可欠です。
これらの課題をクリアし、効率的に成果を上げていくためには、配信リストの管理や効果測定を適切に行うことが求められます。
CRM(顧客関係管理)とは?
CRMは「Customer Relationship Management」の頭文字を取った言葉で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。
顧客の基本情報だけでなく、購入履歴、問い合わせ内容、Webサイト上での行動履歴といったあらゆる情報を一元管理し、顧客と良好な関係を長期的に築くための経営手法です。
顧客情報を詳細に把握することで、それぞれの顧客に最適なアプローチが可能になります。
たとえば、過去に購入した商品や閲覧したページの情報から、次に興味を持ちそうな商品を予測したり、休眠顧客に対して特別オファーのメールを送るといった施策が考えられます。
メールマーケティング×CRMで得られる効果
メール配信とCRMを連携させることで、これまで抱えていたマーケティングの悩みを解決し、大きな効果を得られます。
たとえば、顧客情報が複数の部署やツールに分散していると、最新の情報を把握できず、顧客に最適なアプローチが難しくなります。
しかし、CRMで顧客情報を一元管理し、メール配信と連携することで、リアルタイムで最新の顧客状況に合わせたメールを自動で送ることが可能になります。
これにより、たとえば「商品を購入してから1ヶ月後にレビュー依頼のメールを送る」「カートに商品を入れたまま放置している顧客にリマインドメールを送る」といった、顧客の行動に合わせたきめ細やかなパーソナライズを実現できます。
このような施策は顧客エンゲージメントを高め、結果として開封率やクリック率、そしてリピート率の向上につながります。
また、顧客ごとの反応を分析することで、どの施策が効果的だったかを把握し、次の改善につなげるPDCAサイクルを効率的に回せるようになります。
メールマーケティング×CRMの強み
メールマーケティングだけでは足りない要素
メールマーケティングは、顧客に直接情報を届けられる有効な手段ですが、単体で活用するだけでは限界があります。
たとえば、メール配信ツールだけを使っている場合、顧客の過去の行動履歴や興味関心といった詳細な情報を把握することが難しくなります。
そのため、少ない情報でセグメントしたグループにメールを送ることになり、開封率やクリック率の低下につながりがちです。
せっかくメールを送っても、「自分には関係ない」と思われてしまっては、効果は期待できません。
CRMと組み合わせて増えるメリット
CRMで顧客の購入履歴、Webサイトでの行動、問い合わせ内容などを一元管理することで、顧客一人ひとりの状況を深く理解できます。
そして細かい情報でセグメントしたグループに対してメールマーケティングをおこなうことで、効果を高めることが可能となるのです。
この情報を活用すれば、ただ単に商品を宣伝するのではなく、その顧客が本当に求めているであろう情報や商品を、最適なタイミングで提供することが可能になります。
たとえば、過去に特定の商品カテゴリーをよく購入している顧客には、そのカテゴリーの新商品情報を優先的に送ったり、長い間購入のない顧客には限定のクーポンメールを送ったりと、顧客の状況に合わせたパーソナライズされたアプローチが実現できます。
これにより、顧客は「自分にぴったりの情報だ」と感じ、メールへの興味関心が高まるため、結果的に開封率やクリック率、そして最終的な売上アップにつながります。
メールマーケティング×CRMの流れ
顧客データを集めてまとめる
メールマーケティングとCRMを連携させた施策を始める第一歩は、顧客データを一箇所に集約し、整理することです。
顧客データは、名前や年齢、性別といった基本的な情報だけでなく、ECサイトでの購入履歴や閲覧履歴、問い合わせ内容、Webサイト上での行動履歴など多岐にわたります。
これらの情報を、バラバラに管理している状態から一元的にまとめることで、顧客全体を俯瞰できるようになります。
データを分けてニーズをつかむ
顧客データを集約したら、次にそのデータを活用しやすいように分類します。
この作業を「セグメンテーション」と呼びます。
単に顧客を年齢や性別で分けるだけでなく、購入金額や購入頻度、最終購入日、特定の商品カテゴリーへの興味など、さまざまな切り口でグループ分けを行います。
これにより、顧客一人ひとりのニーズや行動パターンを深く理解できるようになります。
たとえば、半年以上購入がない「休眠顧客」のグループ、特定の商品を頻繁に購入する「ロイヤル顧客」のグループ、初めてECサイトを利用したばかりの「新規顧客」のグループなど、目的に応じて顧客を分類していきます。
配信シナリオとメール内容を決める
次に、作成した配信グループごとに、どのような目的で、いつ、どのような内容のメールを配信するかというシナリオを設計します。
たとえば、新規顧客向けのシナリオであれば、「会員登録直後にウェルカムメールを送信」「1週間後に人気商品の紹介メールを送信」といった流れを組み立てます。
休眠顧客向けであれば、「最終購入から3ヶ月後に特別オファーメールを送信」といったシナリオが考えられます。
メールの内容については、単に商品情報を羅列するだけでなく、顧客に役立つ情報や、読み手の興味を引くような魅力的な文章を作成することが重要です。
件名や本文、デザインも、各グループの特性に合わせて最適化することで、開封率やクリック率の向上を目指します。
自動送信の設定と試し送り
配信シナリオとメール内容が決まったら、メール配信ツールを活用して、自動送信の設定を行います。
この自動化によって、手動でメールを送る手間を省き、限られたリソースで効率的に施策を運用できるようになります。
特に、顧客の行動をトリガー(きっかけ)にして自動でメールを送る「トリガーメール」は、顧客の興味関心が高いタイミングでアプローチできるため、高い効果が期待できます。
しかし、設定を終えてすぐに本番配信を行うのはリスクが伴います。必ず少数の宛先にテスト配信を行い、誤字脱字やリンク切れ、表示崩れなどがないかを確認することが重要です。
効果を測って改善を続ける
メール配信が始まったら、それで終わりではありません。
施策の効果を定期的に測定し、改善を続けることが最も重要です。
開封率、クリック率、コンバージョン率といった指標を分析することで、どのメールが効果的だったのか、どのセグメントが特に反応が良いのかといった傾向を把握できます。
特に、件名や配信時間帯、メール内容のA/Bテストを繰り返すことで、より効果の高いメール施策へと洗練させていくことができます。
CRMによる顧客グループの分析があれば、「なぜこのメールがクリックされたのか」といった具体的な要因を探ることも可能です。
メールマーケティング×CRMのアイディア例
プレゼントメールでジム退会を減らす
顧客の継続利用が重要なビジネス、特にジムやフィットネスのようなサブスクリプションモデルでは、退会を防ぐための施策が欠かせません。
CRMとメールマーケティングを組み合わせることで、顧客一人ひとりの利用状況に応じたきめ細やかなアプローチが可能になります。
たとえば、最近ジムの利用頻度が減っている会員をCRMデータから特定し、その顧客に対してメールを自動配信する仕組みを構築します。
メールの内容は、単に「最近ジムに来ていませんがどうですか?」といったものではなく、退会を思いとどまらせるような具体的なメリットを提示することが重要です。
たとえば、パーソナルトレーニングの無料体験チケットや、プロテインのサンプルなど、顧客にとって魅力的なプレゼントや特典を案内するメールが良いでしょう。
このように、顧客の状況を把握した上で、個別にアプローチすることで、顧客は「自分のことを気にかけてくれている」と感じ、退会を思いとどまるきっかけになります。
これにより、顧客との関係性を維持し、解約率を低下させる効果が期待できます。
購入後フォローでリピート率アップ
ECサイトにおける売上向上には、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客のリピート購入を促すことが重要です。
CRMとメールマーケティングを連携させることで、購入後の顧客フォローを自動化し、リピート率を高めることができます。
たとえば、顧客が特定の商品を購入した際、その購入履歴をCRMに記録します。
そして、購入から数日後に商品の使い方を詳しく解説するメールや、関連商品を提案するメールを自動で配信するように設定します。
さらに、購入から1ヶ月後など、適切なタイミングで「商品の使い心地はいかがですか?」といったアンケートメールを送り、顧客の声を収集することも有効です。
これにより、顧客は購入後も企業からサポートを受けていると感じ、ブランドへの信頼感が高まります。
また、CRMに蓄積されたアンケート結果や購入履歴を分析することで、顧客の潜在的なニーズを把握でき、次の商品開発やマーケティング施策に活かすことも可能です。
メールマーケティング×CRMで成果を出す7つのコツ
①顧客ごとの価値提供を第一に
メールマーケティングとCRMを連携させて成果を出すには、顧客一人ひとりに合わせた価値提供を第一に考えることが重要です。
単に商品を宣伝するのではなく、顧客が何を求めているのか、どのような課題を抱えているのかをCRMのデータから読み解きます。
たとえば過去の購入履歴から「健康食品に興味がある」ことだけがわかっても意味があまりありません。さらにその奥にある本当の欲求までを分析しましょう。
それがもし「年齢による体調変化を心配している」ことだと推察される場合は、年齢に合わせた健康に関するお役立ち情報や、関連商品のキャンペーンを案内するメールを送ることで顧客の本当のニーズを満たすことができるかもしれません。
②押し売りより関係づくりを重視
メールマーケティングの目的は、単発的な売上を上げることだけではありません。
長期的な視点で顧客と良好な関係を築くことが、LTV(顧客生涯価値)の向上につながります。
そのためには、一方的な「押し売り」ではなく、顧客とのコミュニケーションを重視したメール配信を心がける必要があります。
商品の購入を促すメールだけでなく、商品の使い方やメンテナンス方法、関連知識といった、顧客の役に立つ情報を定期的に提供することで、顧客との関係を深めていきましょう。
また、購入者にフォローメールを送ることも有効です。
このように、顧客の感情に寄り添うようなアプローチを続けることで、顧客は企業に対して親近感を抱き、信頼してくれるようになります。
③配信リストや顧客データを最新状態に保つ
メールマーケティングの成果を最大化するためには、配信リストや顧客データを常に最新の状態に保つことが不可欠です。
古くなったメールアドレスや、配信停止を希望している顧客のアドレスがリストに残っていると、メールが届かなかったり、顧客満足度を下げる原因になります。
また顧客データが古ければ、いまは興味をなくしてしまった内容をいつまでもアプローチし続ける、という事態にもなりかねません。
④ベストな時間と頻度で送る
メールマーケティングの効果は、配信する時間帯や頻度によって大きく左右されます。
すべての顧客に同じ時間帯に一斉送信するのではなく、CRMのデータを活用して、顧客グループごとの最適な配信タイミングを見つけ出すことが重要です。
たとえば、会社員向けの商材であれば、通勤時間帯や昼休み、帰宅後の時間帯に開封されやすい傾向があります。
また、メールの配信頻度も重要です。
頻繁に送りすぎると「しつこい」と思われ配信停止につながりやすくなりますが、 少なすぎても忘れられてしまいます。
顧客の購買行動やメールへの反応を分析し、最適な配信頻度を探ることで、効果的なメール施策を実現できます。
⑤スマホで読みやすくする
近年のメール開封は、スマートフォンが主流です。
そのため、メールの内容をスマートフォンでも快適に読めるように最適化することが不可欠です。
パソコンの画面で作成したメールをそのまま送ると、文字が小さすぎたり、画像が読み込みづらかったりして、顧客が途中で読むのをやめてしまう可能性があります。
レスポンシブデザインに対応したテンプレートを使用し、スマートフォンで適切に表示されるように設計しましょう。
また、本文は簡潔にまとめ、重要なポイントは太字にするなど、一目で内容がわかるように工夫することが大切です。
さらに、ボタンやリンクは指でタップしやすい大きさにして、誤操作を防ぐ配慮も必要です。
⑥テストを繰り返して改善
メールマーケティングは、一度配信したら終わりではなく、継続的な改善が成果を左右します。
PDCAサイクルを回し、常に最善の方法を模索しましょう。
このプロセスには、CRMデータが大きな力を発揮します。
たとえば、メールの件名や本文の内容、画像、CTA(行動喚起)ボタンの色や文言など、さまざまな要素を少しずつ変えてA/Bテストを実施します。
このテスト結果から得られた勝ちパターンを次の配信に活かすことで、メールの開封率やクリック率、コンバージョン率を段階的に向上させることができます。
⑦メール以外のチャネルとも連携
メールマーケティングとCRMの連携は、メール単体で完結させるものではありません。
チャットやSNS、Web広告など、顧客との接点を持つ他のチャネルとも連携させることで、施策の効果をさらに高めることができます。
たとえば、メールで反応が良かった内容をSNSで投稿してさらに読者を集めたり、反応の良かった商品のみをWeb広告にかける施策が考えられます。
複数のチャネルを連携させることで、顧客とのタッチポイントを増やし、一貫したブランド体験を提供できるようになります。
まとめ
メールマーケティングとCRMの連携は、顧客一人ひとりと向き合うマーケティングの実現に非常に効果的な戦略です。
顧客データを一元管理し、ニーズに合わせたセグメントに分類することで、一斉送信では得られない高い開封率やクリック率、そしてリピート率の向上が期待できます。
今回ご解説した7つのコツを参考に、顧客のニーズを深く理解し、適切なタイミングで価値ある情報を提供していくことがメール施策成功の鍵となります。
まずは顧客データの整理から始め、スモールスタートでPDCAサイクルを回していくことが重要です。
CRMとメールマーケティングを効果的に組み合わせ、限られたリソースで最大の成果を目指しましょう!
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この記事を書いた人

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