ECショップの運営や企業の販促活動において、「メルマガ」と「DM(ダイレクトメール)」は顧客と直接コミュニケーションを取るための重要なツールです。
しかし、いざ活用しようと思っても、「両者の違いがよくわからない」「どちらが自社に合っているのか判断できない」と悩んでいる担当者は多いのではないでしょうか。
「できるだけコストを抑えて効果を出したい」「顧客の心に響くアプローチをしたい」という思いがある一方で、明確な基準がないと、せっかくの施策も十分な成果につながらない可能性があります。
そこで今回は、メルマガとDMの基本的な違いから、コスト、スピード、効果といった側面を比較!
デジタルとアナログを組み合わせた配信戦略や、今日から始められる失敗しない運用のコツ、成功事例まで、徹底的に解説します!
ページコンテンツ
メルマガとDMの基礎知識

メルマガとは?
メルマガ、つまりメールマガジンは、登録してくれた顧客に対し、メールで定期的に情報を届けるマーケティング手法の一つです。
主な配信方法としては、テキスト形式やHTML形式のメールを一斉に送るのが一般的。
特徴は、なんといってもそのスピードと手軽さにあります。
企画から配信までを短時間で実行でき、顧客はパソコンやスマートフォンで手軽に情報を受け取ることができるのです。
メリットとしては、まずコストが非常に低い点が挙げられます。
DMと比べ、郵送費や印刷費が不要なため、特に予算が限られている中小企業やECショップにとって大きな魅力となります。
また、顧客の開封状況やURLのクリック率などを詳細に分析できるため、施策の効果測定がしやすいのも大きな利点です。
さらに、顧客の興味や行動に合わせて内容を出し分けたり、ステップメールのように段階的に情報を届けるなど、一人ひとりに合わせたパーソナライズされたアプローチも可能です。
顧客との長期的な関係性を築くうえで、メルマガは非常に有効なツールと言えるでしょう。
DMとは?
DM(ダイレクトメール)は、郵送物を通じて顧客に直接情報を届ける販促手法です。
主な郵送方法としては、はがきや封書、冊子などがあり、顧客の自宅やオフィスに届けられます。
この「物理的に手元に届く」という点が、DMの最大の特徴です。
デジタルな情報があふれる現代において、実際に手に取って見てもらえるDMは、顧客の印象に残りやすいというメリットがあります。
封書の場合、中身をじっくり読んでもらえる可能性も高まります。
さらに、クーポン券やサンプルを同封するなど、行動を促すための工夫もしやすいのが特徴です。
また、顧客の年齢層によっては、メールよりも郵送物の方が親しみやすく、反応率が高いケースも珍しくありません。
特に、顧客データに基づいて特定のターゲット層へ絞って送付することで、高い効果を期待できます。
ただし、メルマガに比べて印刷費や郵送費などのコストがかかるため、費用対効果をしっかりと見極める必要があります。
どちらも販促手段だけど「届け方」が大きく違う!
メルマガとDMは、どちらも顧客に直接情報を届ける販促手段ですが、その本質的な違いは「届け方」にあります。
メルマガはデジタルな情報伝達である一方、DMはアナログな情報伝達です。
前述の通り、この届け方の違いが「コスト」「スピード」「効果測定」といった各要素に大きな影響を与えます。
コスト・効果・スピードの比較
コストの違い
メルマガ:メール配信システムの利用料(月額数千円〜)が主な費用。 コストを抑えつつ広範囲に情報を届けられる。 DM:印刷費や郵送費といった物理的なコストがかかる。 特定の顧客層に絞って、訴求力の高い情報や物を届けられる。 |
メルマガとDMを比較する際、まず大きく異なるのがコストです。
メルマガは、メール配信システムの利用料が主な費用となります。
月額数千円から利用できるサービスも多く、送る件数が増えても一件あたりの単価が非常に安価なため、印刷や郵送費といったコストが一切かからないのが大きなメリットです。
特に中小企業や個人事業主など、限られた予算の中で効率的に販促活動を行いたい場合に向いています。
一方、DMは印刷費や郵送費といった物理的なコストが発生します。
はがきや封筒、冊子など、送付物の種類やサイズによって費用は変動しますが、部数が増えるほど総額も大きくなります。
そのため、目的に応じた使い分けが重要になります。
届くまでのスピード
メルマガ:即日配信が可能。スピード感が求められる情報発信向き。 DM:顧客の手元に届くまでに数日〜1週間程度かかる。 長期的なキャンペーンの告知や、事前に計画を立てた販促活動向き。 |
情報が顧客に届くまでのスピードも、両者で大きく異なります。
メルマガは、メール作成後すぐに配信予約ができ、即日配信が可能です。
顧客はパソコンやスマートフォンでリアルタイムに情報を受け取れるため、タイムセールや緊急のお知らせなど、スピード感が求められる情報発信に非常に適しています。
一方、DMは、送付物のデザイン制作、印刷、発送、そして郵便局での配送というプロセスを経るため、顧客の手元に届くまでに数日〜1週間程度の時間がかかります。
そのため、長期的なキャンペーンの告知や、事前に計画を立てた販促活動に向いています。
開封率や反応率の傾向
メルマガ:開封率は、数パーセントから高くて20%程度が一般的。 内容をパーソナライズしたり、魅力的な件名にすることで、さらに高めることも可能。 DM:メールよりも高い開封率や反応率が期待できる傾向にある。 購入や来店といった具体的なアクションにつなげやすい。 |
メルマガとDMでは、開封率や反応率にも傾向の違いが見られます。
メルマガの開封率は、件名や配信タイミング、顧客との関係性によって大きく左右されます。
一般的には数パーセントから高くて20%程度と言われており、大量のメールに埋もれてしまいがちな点が課題となることもあります。
しかし、顧客の興味や関心に合わせて内容をパーソナライズしたり、魅力的な件名にすることで、開封率を高めることができます。
一方、DMは物理的な存在感があり、手元に届くため、メールよりも高い開封率や反応率が期待できる傾向にあります。
特に、特定のターゲット層に絞り込んで送付することで、高い確率で手に取ってもらうことができます。
前述の通り、顧客の行動を促す工夫もしやすいため、購入や来店といった具体的なアクションにつなげやすいのが特徴です。
効果測定のしやすさ
メルマガ:専用の配信システムを利用することで、詳細にデータ解析ができる。 PDCAサイクルを回しやすく、次の施策に活かしやすい。 DM:メルマガと比べて、手間がかかることが多い。 測定しやすい仕組みを事前に設計しておく必要がある。 (顧客アンケート、DMを送る際に専用のキャンペーンコードやアンケートを同封するなど) |
効果測定のしやすさも、メルマガとDMの大きな違いです。
メルマガは、専用の配信システムを利用することで、開封率、クリック率、コンバージョン率などを数値で詳細にデータ解析できます。
どの件名が効果的だったか、どのリンクがクリックされたかなどを具体的に把握できるため、PDCAサイクルを回しやすく、次の施策に活かしやすいのがメリットです。
一方、DMの効果測定は、メルマガに比べて手間がかかることが多いです。
顧客アンケートや、DMに記載した専用のQRコードやキャンペーンコードの利用状況を把握するといった方法が一般的です。
効果測定の精度を高めるためには、DMを送る際に専用のキャンペーンコードやアンケートを同封するなど、測定しやすい仕組みを事前に設計しておくことが重要です。
「メルマガ×DM」配信戦略の立て方
予算が限られているときの戦略
活用対象 | タイミング | 目的 | 具体例 |
メルマガ | 日常的・定期的 | コストを抑えて顧客との関係維持 | ・毎週1回の新着情報配信 ・セール告知 ・コラム配信 |
DM | 年間数回の特別な場面 | 高い反応率の獲得 | ・年2回のセール時期に割引クーポン送付 ・年末年始の繁忙期 ・顧客誕生日月に特別オファー送付 |
予算が限られている場合、メルマガとDMの適切な配分は非常に重要です。
まず、日々の顧客とのコミュニケーションや定期的な情報提供には、コストの低いメルマガをメインに活用するのが効果的です。
たとえば、毎週1回の新着情報やセール告知、コラムなどをメルマガで配信し、顧客との関係性を継続的に維持します。
そして、DMは年間を通して数回、特別なタイミングに絞って活用します。
たとえば、年に2回のセール時期や、年末年始などの繁忙期に、割引クーポン付きのDMを送付することで、メルマガでは得られない高い反応率を狙えます。
また、顧客の誕生日月に合わせた特別オファーをDMで送ることで、顧客満足度を高めつつ、売上アップにつなげることも可能です。
このように、日常的な情報発信はメルマガでコストを抑え、本当に重要な場面でDMを活用することで、限られた予算の中でも最大の結果を目指すことができます。
多角的にアプローチ!月次販促カレンダー例
時期・順序 | メディア | 目的 | 内容例 |
月前半(キャンペーン前) | メルマガ | 予告・期待感の醸成 | 新商品やキャンペーンの事前告知 |
キャンペーン開始時 | DM(郵送) | 実物・特典による購買意欲促進 | クーポンやサンプルを同封して送付 |
別パターン(1) | DM → メルマガ | 詳細情報の補完 | DMで新商品を告知し、後日メルマガで詳細説明や活用法を紹介 |
別パターン(2) | メルマガ → DM | 興味喚起と購買行動の後押し | メルマガで興味を喚起し、その後DMで特典提供 |
メルマガとDMを効果的に組み合わせるクロスメディア戦略は、販促効果をさらに高めるための有効な手段です。
たとえば、月次の販促カレンダーを想定してみましょう。
月の前半は、メルマガで新商品やキャンペーンの予告を配信し、顧客の期待感を高めます。
その後、キャンペーン開始のタイミングで、郵送DMを送付して実際のクーポンやサンプルなどを届けます。
これにより、メルマガで興味を持った顧客が、DMという物理的なツールによってさらに購買意欲を高められます。
逆に、DMで新商品を知ってもらった後、メルマガで詳細情報や活用法を解説するといった方法も考えられます。
重要なのは、メルマガとDMがそれぞれ独立した施策ではなく、互いを補完し合う関係として捉えることです。
このようにデジタルとアナログの利点を組み合わせることで、顧客との接点を増やし、より多角的にアプローチできるようになります。
今日から始められる!失敗しない運用のコツ
配信リストの精度を高める方法
メルマガやDMの効果を最大化するには、まず配信リストの精度を高めることが重要です。
リストに登録されている情報が古かったり、重複していたりすると、無駄なコストや労力が発生してしまいます。
メルマガの場合は、定期的にリストクリーニングを行うことで、リストの精度を高めることができます。
リストクリーニングでは、長期間メールを開封していない購読者や、配信エラーが続いている購読者に対し、引き続きメールの購読を希望するかどうかを尋ねるメールを配信します。
このメールの目的は、単なる迷惑メールと誤認されてしまうのを防ぎつつ、本当に情報を受け取りたいと考えている顧客だけをリストに残すことにあります。
また、配信エラーが続くメールアドレスはリストから削除するなどのメンテナンスも欠かせません。
DMの場合も同様で、住所の変更や転居などで戻ってきてしまう郵便物がないか、定期的にチェックしてデータを更新することが大切です。
リストの精度を高めることは、無駄なコストを削減するだけでなく、顧客に不必要な情報を送って信頼を損なうリスクを減らすことにもつながります。
パーソナライズで反応率アップ!
メルマガやDMは、一斉に同じ内容を送るだけでなく、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズを行うことで、反応率を大きく向上させることができます。
たとえば、ECショップの運営であれば、過去の購入履歴に基づいて関連商品をレコメンドしたり、閲覧履歴のある商品について改めて情報を送る方法が有効です。
DMであれば、顧客の誕生月に合わせた特別割引のハガキを送ったり、特定のカテゴリーの商品をよく購入している顧客にはそのカテゴリーの新商品情報が載ったDMを送ることができます。
顧客は、自分に関係のある情報が届くと「特別に扱われている」と感じ、開封や購入といったアクションを起こしやすくなります。
信頼感を損なわない配信頻度と内容調整
メルマガやDMは、顧客との関係を築く上で強力なツールですが、使い方を間違えると信頼を損なってしまう可能性があります。
特に注意したいのが、配信頻度です。
あまりに頻繁にメルマガを送りすぎると「しつこい」と感じられ、購読解除につながることがあります。
逆に、配信が少なすぎると忘れられてしまうかもしれません。
適切な頻度は業種や顧客層によって異なりますが、一般的には週に1~2回程度が目安とされています。
DMも同様で、送りすぎると「迷惑だ」と感じられる可能性があります。
また、配信内容も重要です。
常にセール情報ばかりだと飽きられてしまうため、新商品の開発秘話や、商品の使い方、季節のコラムなど、顧客にとって有益な情報や読み物もバランスよく盛り込むことで、顧客の関心を引きつけ続けることができます。
「メルマガ×DM」で成功した企業の事例
株式会社ワム:メルマガ×DMで反応率アップ
エステサロン向け美容機器の製造・販売を行う株式会社ワムは、見込み顧客の獲得に課題を抱えていました。
そこで、メールとDMを組み合わせた新しいアプローチ方法を導入!
この施策では、顧客の行動履歴を細かく分析し、それぞれの顧客に適した方法でアプローチするという、きめ細やかな戦略が取られました。
具体的には、ウェブサイトの閲覧履歴などから関心の高い顧客を抽出し、即時性の高いメルマガでアプローチする一方、すでに何度か問い合わせや資料請求をしている見込み顧客には、より信頼感や特別感を醸成できるDMを送るという使い分けを行いました。
この結果、プロモーションの効率は目に見えて向上。
メルマガの反応率が高まっただけでなく、問い合わせからの成約率も20%から25%へとアップしたのです。
この成功の鍵は、顧客の興味や行動履歴といった「行動トリガー」に基づいて適切なチャネルを選定した点にあります。
デジタルチャネルであるメルマガは即時性を活かして関心が高まったタイミングでアプローチし、アナログチャネルであるDMは信頼性を活かして商談へとつなげる役割を担いました。
このように、顧客の興味や行動履歴に応じた柔軟なコミュニケーション設計が、成果を最大化する上でいかに重要であるかを示す好例と言えるでしょう。
まとめ
項目 | メルマガ(メールマガジン) | DM(ダイレクトメール) |
配信方法 | メール(テキスト形式・HTML形式)で一斉送信。 | 郵送物(はがき・封書・冊子など) |
特徴 | 即日配信が可能で手軽。デジタルで広範囲に情報を届けられる。 | 物理的に手元に届くため印象に残りやすい。 |
主な費用 | メール配信システム利用料(月額数千円〜) | 印刷費・郵送費(部数や形態で変動) |
コスト感 | 非常に低コスト。一件あたり単価が安い。 | 比較的高コスト。大量配信で総額増。 |
配信スピード | 企画から即日配信可能。 | 制作・印刷・発送で数日〜1週間。 |
開封率・反応率 | 一般的に数%〜20%程度。件名やパーソナライズで向上可。 | メールより高い傾向。特定ターゲットへの訴求で効果大。 |
効果測定 | 開封率・クリック率・CV率などを詳細に数値化可能。 | アンケート・キャンペーンコード等で測定(事前設計が必要) |
強み | 低コスト・即時性・分析精度・パーソナライズ対応。 | 高い印象度・物理的存在感・サンプルやクーポン同封可能。 |
向いているケース | 日常的な情報発信・タイムセール・緊急告知。 | 特別感の演出・高額商品の案内・年齢層高めの顧客。 |
弱み・注意点 | 開封率が低く埋もれやすい。 | コスト・制作時間がかかる。 |
今回の記事では、メルマガとDMのそれぞれの特徴から、効果的な使い分けのポイントまでを解説しました!
メルマガは、低コストでスピーディーな情報伝達が可能で、効果測定がしやすいのが大きなメリットです。
一方、DMは顧客の印象に残りやすく、高い反応率が期待できるという強みがあります。
どちらか一方を選ぶのではなく、それぞれの利点を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。
例えば、日常的な情報発信はメルマガでコストを抑え、特別なキャンペーンや顧客に特別な体験を提供したいときにはDMを活用するといった戦略が考えられます。
また、両者を組み合わせた「クロスメディア戦略」は、顧客との関係性をより深め、販促効果を最大化する上で非常に有効です。
成功事例を参考に、顧客の行動履歴や興味関心に基づいてメルマガとDMを柔軟に使い分けることで、限られたリソースの中でも効率的に成果を上げることができます。
ぜひ、自社のリソースと目的に合わせた最適な配信戦略を立てて、販促活動のPDCAサイクルを回していきましょう。
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この記事のライター
川上あおい
3児の母。川上サトシを支えつつ学んだことを活かし始めたハリネズミ。24時間、車を運転したことがある。

この記事の監修

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