メールマーケティングは、顧客との大切な接点です。
しかし、BtoB(企業向け)とBtoC(個人向け)では、その目的も手法も全く違います。
この違いを理解しないままでは、せっかくのメールが相手に響かず、効果的なマーケティングは望めません。
そこで今回は、BtoBとBtoCのメールマーケティングにおける3つの根本的な違いから、それぞれの成功事例、具体的な施策までを徹底解説します!

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BtoBとBtoCの根本的な違い

BtoB(企業間取引)とBtoC(企業対個人)のメールマーケティングを成功させるためには、両者の根本的な違いを理解することが不可欠です。
この違いは、単に顧客が「法人か」「個人か」という表面的なものではなく、その購入に至るまでの目的、プロセス、そして求められるコミュニケーションの深さにまで及びます。
早速確認していきましょう!
1. 購買目的の違い
まずは、それぞれの購買目的の違いから見て行きましょう!
BtoCの購買目的
BtoCにおける購買は、個人の感情や欲求、生活の質を向上させたいという個人的な動機に強く影響されます。
たとえば、新しい趣味のアイテムを購入したり、日々の暮らしを便利にする家電を購入するといった行為がこれにあたります。
そのためメールマーケティングでは、以下のような「感情に訴えかけるアプローチ」が効果的です。
\ BtoCメールでのアプローチ例 / ・ユーザーの共感を呼ぶようなストーリー ・期間限定の割引 ・視覚に訴える画像 |
BtoBの購買目的
BtoBの購買目的は、企業の課題解決、コスト削減、売上向上といった論理的かつ合理的な価値に集約されます。
“個人”ではなく”企業”を対象としているため、その製品やサービスが自社のビジネスにどのようなメリットをもたらすか、投資対効果(ROI)はどれくらいかという視点が重要になります。
そのため、BtoBのメールマーケティングでは、企業の意思決定の材料となるコンテンツが大事な役割を担っています!
以下のような、意思決定に必要な客観的なデータや専門的な情報を詳細に提示することが求められます。
\ BtoBメールのコンテンツ例 / ・製品のスペックや導入事例 ・ホワイトペーパー |
2. 購買プロセスと意思決定者の違い
次に、購買プロセスと意思決定者の違いを見て行きましょう!
BtoCの購買プロセスと意思決定者
BtoCの購買プロセスは、検討から購入までが比較的短く、意思決定者は個人がほとんどです。
気に入った商品があれば、衝動的に購入を決めることも珍しくありません。
メールマーケティングでは、タイムリーなキャンペーン情報や購入を後押しする口コミなどを活用することで、短期間でのコンバージョンを促すことができます。
BtoBの購買プロセスと意思決定者
BtoBの購買プロセスは、検討期間が数か月から数年と長期にわたることが一般的です。
その過程には、現場担当者、上司、そして最終的な決裁者など、複数の部署や役職者が関わる組織的な意思決定プロセスを経ます。
この複雑なプロセスに対応するため、メールは各関係者のニーズに合わせた内容にパーソナライズする必要があります。
たとえば、現場担当者には具体的な機能や操作方法、経営層には費用対効果や導入によるビジネスへの影響など、それぞれの関心事に応じた情報を提供することが重要です。
つまり、単一のメールで全てを解決しようとするのではなく、各ステップで必要な情報を段階的に提供していくリードナーチャリングが不可欠となります。
3. コミュニケーションの深さの違い
BtoCとBtoCメールでは、コミュニケーションの深さも異なります。
詳しく見て行きましょう!
BtoCメールでのコミュニケーション
BtoCのメールマーケティングは、不特定多数の顧客に情報を届けるため、広く浅いコミュニケーションが中心となりがちです。
メルマガなどを通じて、ブランド認知の拡大やセールの告知などを行います。
BtoBメールでのコミュニケーション
BtoBでは、購買に至るまでの長いプロセスの中で、見込み顧客との中長期的な関係を構築し、信頼を深めていく必要があります。
そのため、一方的な情報発信ではなく、顧客の課題を理解し、その解決策を提示するような、よりパーソナライズされたコミュニケーションが求められます。
例えば、顧客の興味や行動履歴に応じて、特定のウェビナーへの招待メールを送ったり、専門的なコラムを案内したりすることで、商談につながる確度の高いリードへと育成していくことができます。
これは、メールを通じて顧客の「お役立ちパートナー」としての役割を担うことで、最終的な契約へと結びつけるための重要なステップです。
BtoB/BtoCメールマーケティング成功のための施策
BtoBとBtoCでは、顧客の購買目的やプロセスが異なるため、メールマーケティングの成功にはそれぞれの特性に合わせた施策が不可欠です。
ここでは、具体的な施策をBtoC向けとBtoB向けに分けて解説します!
BtoC向け施策:顧客の心をつかむ
BtoCのメールマーケティングでは、顧客の個人的な興味や感情に訴えかけることが重要です。個人の心を動かすことで、購買意欲を高め、売上向上につなげます。
施策1:パーソナライズされた「コンテンツ」
顧客一人ひとりの興味や過去の購入履歴に基づいたパーソナライズが鍵となります。
\ パーソナライズされたメールの例 / 過去にアウトドア用品を購入した顧客→新製品のテントやキャンプ用品の情報を配信! 特定のブランドを好む顧客→ブランドのセール情報を配信! |
これにより、顧客は「自分にぴったりの情報が届く」と感じ、エンゲージメントが向上します。
施策2:シンプルで魅力的な「デザイン」
多くの顧客は移動中や休憩時間など、スマートフォンでメールをチェックします。
そのため、シンプルで読みやすく、視覚的に訴えるデザインが効果的です。
テキストだけでなく、商品やライフスタイルをイメージさせる写真やイラストを多用することで、視覚的に訴えかけ、製品の魅力を直感的に伝えられます。
また、購入ボタンは目立つ位置に配置し、誰でも簡単に次のアクションに移れるように配慮することも大切です。
施策3:日々の暮らしに溶け込む「配信頻度」
顧客の生活に溶け込むような適切な配信頻度も重要です。
過剰な配信は顧客の負担となり、メールの購読解除につながる可能性があります。
季節のイベントや新商品の発売、特別なキャンペーンなど、顧客が情報を求めているタイミングで、過剰にならないよう定期的に配信することで、顧客との良好な関係を維持できます。
BtoB向け施策:顧客を育成する
BtoBのメールマーケティングでは、顧客を短期間で購入に導くよりも、長期的な関係を築き、最終的な契約へとつなげることが目的となります。
施策1:顧客を育成する「リードナーチャリング」
BtoBの購買プロセスは長く、一度のメールで契約に結びつくことは稀です。
そのため、継続的な情報提供によって顧客の関心を高め、信頼関係を築くリードナーチャリングが非常に重要です。
例えば、企業の課題解決に役立つホワイトペーパーやウェビナーの案内、導入事例をまとめた資料など、顧客の検討段階に応じた有益なコンテンツを段階的に配信することで、顧客の育成を図ります。
施策2:パーソナライズされた「セグメント配信」
BtoBでは、企業の規模、業種、担当者の役職などによって求める情報が異なります。
顧客データを分析し、ターゲットを細かくセグメント化することで、それぞれのニーズに最適化されたメッセージを配信できます。
例えば以下のように、受信者ごとに内容を最適化することで、高い反応率が期待できます。
経営者向け→ROIや経営課題の解決に焦点を当てた内容 現場担当者→具体的な機能や導入のメリットに特化した情報 |
施策3:開封率を上げるための「配信タイミング」
BtoBのメールは、顧客が業務時間中に確認することが多いため、配信タイミングが開封率を大きく左右します。
一般的に、平日の午前中や午後早い時間帯に配信することで、より多くの人に読んでもらえる可能性が高まります。
休日は避けるべきですが、業種によっては土日も業務を行っている場合があるため、顧客の働き方を考慮した上で最適なタイミングを見つけ出すことが成功への鍵となります。
BtoB/BtoCメールマーケティングの成功事例
ここからは、実際に成果を上げているBtoBとBtoCのメールマーケティング事例を見ていきましょう!
理論だけでなく、具体的な成功事例を参考にすることで、自社のメールマーケティングを成功させるための実践的なイメージが湧きやすくなります。
BtoC企業における成功事例
BtoC企業では、顧客の心を動かし、エンゲージメントを高めるためのメール施策が成功の鍵を握っています。
株式会社阪急交通社の事例

参照:https://www.hankyu-travel.co.jp/
株式会社阪急交通社は、メールマガジンで「1コンテンツ×1ターゲット」を徹底し、読者の興味に合わせた緻密なセグメント配信を行うことで、週に最大35本のメールを配信しました。
その結果、特定のコンテンツの集客率を7倍にまで高めることに成功!
この事例は、顧客一人ひとりのニーズを深く理解し、それに合わせた情報を提供することの重要性を示しています。
クックパッド株式会社の事例

クックパッド株式会社は、ユーザーの「今日の献立」という日常的な課題に寄り添ったメールを毎日配信することで、メールマガジンが月間4000万PVを突破するほど強力なツールとなりました。
この事例から、メールが単なる情報伝達の手段ではなく、顧客の生活に深く入り込み、ブランドへの愛着やファン化を促進する役割を担えることがわかります。
サッポロビール株式会社の事例

参照:https://www.sapporobeer.jp/
サッポロビール株式会社は、複数のメルマガをブランドやカテゴリごとに展開し、読者が興味のある情報だけを選択して購読できるようにしました。

参照:https://www.sapporobeer.jp/support/customer/faq/0000000255/
これにより、一斉配信では伝えきれない情報を効率的に届け、読者のエンゲージメントを高めています。
この手法は、多様な顧客ニーズに対応しながら、効果的な情報発信を実現する良い例です。
BtoB企業における成功事例
BtoB企業では、長期的な顧客育成や効率的なリード獲得に焦点を当てたメール施策が成果につながっています。
株式会社ビッグビートの事例

イベント事業を手がける株式会社ビッグビートは、マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用し、顧客の関心度合いに応じたセグメント配信を実施しました。
これにより、イベントサイトへのアクセス数が1.5倍に増加しました。
この事例は、MAツールを導入することで、手動では難しい緻密なリード育成が可能になり、効率的に顧客を次のアクションへと導けることを示しています。
JBサービス株式会社の事例

JBサービス株式会社は、営業担当者が放置していた約7000件の名刺リストを、段階的なメールアプローチで再活性化させることに成功しました。
興味を示した顧客には個別のフォローアップを行い、商談につなげました。
この事例は、新規顧客の獲得だけでなく、すでに保有している顧客リストという既存資産を有効活用することの重要性を物語っています。
株式会社関東製作所の事例

参照:https://kanto-seisakusyo.jp/
製造業の株式会社関東製作所は、MAツールと連携したコンテンツ戦略により、問い合わせ件数を3.5倍に増加させました。
具体的には、ウェブサイトの閲覧履歴に応じて異なるメールを配信し、顧客の関心に合わせた情報を提供しました。
この成功は、単にツールを導入するだけでなく、それを使いこなすための戦略と、マーケティング部門と営業部門が連携する社内体制の重要性を示しています。
まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
メールマーケティングは、BtoB(企業向け)とBtoC(個人向け)で全く異なるアプローチが求められます。
顧客が「法人」か「個人」かによって、その本質を理解し、伝え方を変える必要があるからです。
BtoCメールの目的は、受け取る人々の暮らしを豊かにしたり、心を動かすことです。
そのため、感情に訴えかけるコミュニケーションが効果的です。
共感を呼ぶストーリーや、購買意欲を高める魅力的な画像、期間限定の割引などを盛り込むことで、「今すぐ欲しい!」という気持ちを後押しします。
一方、BtoBメールは、会社の課題を解決し、売上を上げるための「ビジネスパートナー」として届きます。
「なんとなく良さそう」という漠然とした期待ではなく、「このサービスを導入すると、どのようなメリットがあるのか?」という論理的な答えが求められるのです。
一度のメールで契約が決まることはほとんどありません。
そのため、ホワイトペーパーや導入事例といった「お役立ち情報」を継続的に提供し、時間をかけて「この会社は信頼できる」という関係を築く「リードナーチャリング」という考え方が不可欠です。
メールマーケティングの成功は、「誰に」「何を」「どうやって」伝えるかにかかっています。
この記事が、メールマーケティングについて改めて考えるきっかけとなれば幸いです。
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この記事のライター
川上あおい
3児の母。株式会社コンビーズのライター。メルマガも担当。24時間、車を運転したことがある。

この記事の監修

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