メルマガやお客様への大切なメールを送ったのに、エラーメールが返ってきた経験はありませんか?
それは「バウンスメール」と呼ばれ、送信したメールが何らかの理由で相手に届かなかったことを示す重要な通知です。
一見、ただのエラーに見えますが、このバウンスメールを軽視して放置してしまうと、自社で送信するメール全体の信頼性が低下し、本来届くはずの正常なメールまで届かなくなるという深刻な事態を招く可能性があります!
この記事では、バウンスメールとは何かという基本から「ソフトバウンス」と「ハードバウンス」の2つの種類の違い、具体的な原因、そしてサーバーの評価を下げないための正しい対応策まで、初心者の方にも分かりやすく解説します!
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バウンスメールとは?
バウンスメールとは、送信したメールが何らかの理由で相手のメールボックスに届かず、エラーとして送信元に戻ってきてしまうメールのことです。
メールが無事に相手に届くまでにはいくつかのステップがあり、その途中で問題が発生するとバウンスメールが返送されます。
【メール配信の流れ】
普段何気なく行っているメールの送信は、ボタンを押した直後から複雑なプロセスを経ています。
まず、送信されたメールは「送信側メールサーバー」という場所に送られます。
ここから相手先のメールサーバーに届けるために、インターネット上の住所案内係である「DNSサーバー」に問い合わせを行います。
DNSサーバーは「example.com」のようなドメイン名と「142.0.2.1」のようなIPアドレスという、コンピューターが通信相手を特定するための住所情報を管理しています。
ここで宛先の住所が判明すると、その情報をもとに「受信側メールサーバー」へメールが転送され、最終的に相手のメールボックスに届くという仕組みです。
この一連の流れのどこかで問題が発生すると、メールはそれ以上進めなくなります。
その結果、配信できなかったことを知らせるために、送信元へエラーメッセージが記載されたメール、つまりバウンスメールが送り返されてくるのです。
このバウンスメールには、エラーが発生した日時やサーバー情報、そして最も重要な「なぜメールが届かなかったのか」という理由やエラーコードが記載されており、問題解決のための重要な手がかりとなります。
・バウンスされた日時 ・バウンスしたメールサーバー ・情報エラーコード ・バウンスした理由 |
などが記載されています。
バウンスメールの種類!
エラーで戻ってきてしまうバウンスメールですが、実はその原因によって大きく2つの種類に分けられます。
それが「ソフトバウンス」と「ハードバウンス」です。
この2つの違いを理解することが、問題解決への第一歩となります。
どちらのバウンスなのかによって、原因も対応方法も全く異なるため、まずはその性質の違いをしっかりと把握しましょう。
ソフトバウンスとは?
ソフトバウンスは一時的な問題が原因でメールが相手に届かない状態を指します。
結果的に、少し時間が経ってから相手に無事メールが届けられることが多いです。
ハードバウンスとは?
ハードバウンスは、恒久的・永続的なエラーによって、メールが相手に届かなかった状態を指します。
「宛先が存在しない」「受信サーバーが見つからない」など、今後何度送っても届く見込みがないエラーのことです。
バウンスメールを放置するリスク!
バウンスメールは、単にメールが届かなかったという通知ではありません。
これを軽視して対応せずにいると、企業のメールマーケティング全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります!
エラーになったメールアドレスをリストから削除せず、そのまま配信を続ける行為は、例えるなら「宛先不明の家に何度も手紙を送り続ける」ようなものです。
このような行動を繰り返すと、受信側のメールサーバーは「迷惑な送信者」と判断し始めます。
その結果、送信元のIPアドレスやドメインの信頼性が低下し、スパム送信者としての疑いが強まります。
IPアドレスやドメインはインターネット上の「住所」や「会社名」のようなもので、一度「怪しい」という評判が立つと、本来は問題なく届くはずだった他のメールまで、迷惑メールフォルダに振り分けられたり、受信を拒否されたりするようになります。
最も深刻な事態は、この送信元IPアドレスやドメインが「ブラックリスト」に登録されてしまうことです。
ブラックリストに登録されると、多くのメールサーバーで受信がブロックされ、メール配信が極めて困難になります。
一度登録されてしまうと、そのリストから自社の情報を削除してもらうためには、原因を特定・改善した上で解除申請を行うなど、多大な時間と労力が必要になります。
問題が大きくなる前に、バウンスメールには迅速かつ適切に対応することが重要です。
ソフトバウンスの原因と対応策!
受信者のメールボックスがいっぱい
【届くエラーメールの例】
・sorry, mailbox is full ・full mailbox ・message size exceeds remaining quote |
ソフトバウンスが発生する代表的な原因の一つに、受信者のメールボックスが満杯になっているケースが挙げられます。
これは、メール自体は相手のメールサーバーまで正常に届いているものの、受信者の保存容量に空きがないためにメールを受け取れない状態です。
【対応策】
この問題の解決は、受信者側での対応が必要となります。
具体的には、受信者が不要なメールを削除してメールボックスに空き容量を作るか、契約しているサービスのプランを変更して利用可能な容量自体を増やすといった方法です。
メールサイズが大きすぎる
【届くエラーメールの例】
・message file too big ・message is too large ・message exceeds maximum fixed size |
送信しようとしているメールのサイズが、受信側のサーバーが設定している上限を超えている場合も、ソフトバウンスの原因となります。
特に、テキストだけのメールで容量オーバーになることは考えにくく、高画質の画像やサイズの大きい資料ファイルを添付した際に発生することがほとんどです。
【対応策】
対応策は非常にシンプルで、メールのサイズを小さくすることです。
添付する予定のファイルは、圧縮してzip形式にするだけでも容量を大幅に削減できます。
もし複数のファイルを送る必要があるなら、一度にすべてを添付するのではなく、数通のメールに分割して送信するのも有効な手段です。
また、ファイルを直接添付する代わりに、GoogleドライブやDropboxのようなクラウドストレージサービスにアップロードし、その共有リンクをメール本文に記載する方法もスマートな解決策と言えるでしょう。
これにより、受信サーバーに負荷をかけることなく、確実な情報伝達が可能になります。
受信側のサーバーがダウンしている
送信したメールが一時的に届かない原因として、受信者側のメールサーバーが何らかのトラブルによってダウンしている可能性も考えられます。
これは、送信者やメールの内容には一切問題がなく、完全に相手側の環境に起因するものです。
例えば、サーバーのメンテナンス中であったり、予期せぬアクセス集中によってサーバーに負荷がかかっていたりする場合がこれにあたります。
この場合、送信者側で今すぐに行うべき特別な対応はありません。
サーバーダウンは一時的な障害であることが多いため、サーバーが復旧次第、配信されなかったメールは自動的に受信者へ届けられるのが一般的です。
焦って何度も同じメールを再送すると、かえって相手のサーバーに負担をかけてしまう可能性もあるため、しばらく時間を置いて様子を見るのが賢明です。
ただし、数日経っても状況が改善されない場合は、サーバーダウンではなく、別の深刻な問題が発生している可能性も視野に入れる必要があります。
ハードバウンスの原因と対応策!
メールアドレスに誤りがある、もしくは存在しない
【届くエラーメールの例】
・user unknown ・host unknown |
ハードバウンスが起こる最も一般的な原因は、送信先のメールアドレスそのものに問題があるケースです。
メルマガ登録時に入力されたメールアドレスの綴りが間違っていたり、現在は使われていない古いアドレスだったりすると、メールサーバーは宛先を見つけられずにメールを返送してしまいます。
「user unknown」はメールアドレスの「@」より前のユーザー名が存在しないことを示しています。
一方、「host unknown」は「@」より後ろのドメイン名が見つからない、つまり存在しないドメインであることを意味します。
対応策は、まずエラーが返ってきたメールアドレスが正しいものか確認し、修正することです。
しかし、根本的な解決策は、定期的に配信リストを整理することにあります。
ハードバウンスが発生したメールアドレスをリストから削除するなど、常にリストを最新の状態に保つことが重要です。
受信側のサーバーにスパムメール、迷惑メールと疑われた
【届くエラーメールの例】
キーワード例 | 意味 |
spam, junk, unsolicited | 「スパム」「迷惑メール」と直接的に判定されたことを示します。 |
blocked, rejected, denied | あなたのIPアドレスやドメインからのメールが「ブロック」「拒否」されたことを示します。 |
blacklist, RBL | あなたのIPアドレスが、迷惑メール送信元リストである「ブラックリスト」に掲載されていることを示します。 |
Spamhaus, Barracuda, SURBL | ブラックリストを運営している組織の具体的な名称です。 これが書かれていたら、その組織のサイトでブラックリストに載っているか確認できます。 |
poor reputation | あなたのIPアドレスの評価(IPレピュテーション)が低いため、受信を拒否したことを示します。 |
policy, content filter | 受信側のセキュリティポリシーや、メール本文の内容(URLや特定の単語など)をチェックするコンテンツフィルターによって拒否されたことを示します。 |
メールアドレスが正しく存在しているにもかかわらず、ハードバウンスとなる場合があります。
これは、受信側のメールサーバーが、送られてきたメールを「スパムメール」や「迷惑メール」の疑いがあると判断し、受信を拒否していることが原因です。
このようなサーバー側の判定への対策として、送信ドメイン認証技術である「SPF」と「DKIM」を設定することが非常に有効です。
受信側のサーバーは、常に「このメールは本当に本人から送られてきた安全なものか?」と警戒しています。
SPFとDKIMは、この疑いを晴らすための強力な「二重の身元保証」として機能し、これらを両方設定することで、迷惑メールと判定される可能性を大幅に下げることができます。
SPF(Sender Policy Framework)とは
SPFは、メールの送信元が正当なものであることを証明する仕組みです。たとえるなら、メールの「身分証明書」のような役割を果たします。
具体的には、ドメインのDNSサーバーに「このドメイン名のメールは、このIPアドレスのサーバーからしか送りません」という情報をあらかじめ登録しておきます。
受信側のサーバーは、メールを受け取った際にこのSPFレコードを確認し、記載されたIPアドレスと実際の送信元サーバーのIPアドレスが一致すれば「正当なサーバーから送られてきたメールだ」と判断します。
これにより、ドメインを詐称した「なりすましメール」ではないことを証明できます。
DKIM(DomainKeys Identified Mail)とは
DKIMは、メールの内容が送信途中が改ざんされていないことを証明する「電子署名」です。
メール送信時に、送信サーバーがメールの内容に基づいて暗号化された署名をヘッダーに付与します。
受信側のサーバーは、DNSサーバーに公開されている鍵を使ってこの署名を照合します。
もしメールの内容が少しでも改ざんされていれば、照合が失敗するため「このメールは途中で誰かが不正に書き換えた可能性がある」と判断できます。
DKIMは、いわば「封筒にされた封蝋」のようなもので「このメールは確かに私が出したものであり、中身は誰も見ていません」と保証する役割を担っています。
SPFという身元保証と組み合わせることで、メールの信頼性を格段に高めることができるのです。
【注意:SPFとDKIMを設定しても迷惑メールになるケース】
SPFとDKIMは非常に強力ですが、これらを正しく設定していても、以下のような理由で迷惑メールと判定されることがあります。
・メールの内容 迷惑メールで多用される単語(「儲かる」「当選」など)や、危険なリンク、ファイルが添付されている。 ・送信実績 送信元のIPアドレスやドメインが、過去に大量の迷惑メールを送ったとしてブラックリストに登録されている。 ・読者の反応 受信者から「迷惑メール報告」をたくさん受けている。 ・急激な配信 これまでメールを送っていなかったのに、突然大量のメールを配信し始めた(スパム業者と疑われる可能性があります) ・オプトインが明記されていない 「知らない間にメルマガ登録されている」と受信者に思われないように、メールアドレスを取得する際にメルマガを送る旨を明記すること。 ・オプトアウトが不親切 メール配信を解除する方法をユーザーに示し、すぐに簡単にメール配信を解除できるようにしておくこと。 複雑で面倒な仕組みだったりすると、受信者に迷惑メールに設定されてしまう恐れがある。 |
バウンスメールの対応をラクにする方法!
バウンスメールを発見して適切に対応するためには、日頃からメールをしっかりと管理することが重要です。
数十通程度であれば通常のメールソフトで対応できるかもしれませんが、数千通もの宛先に配信している場合、エラーメールを一通一通確認し、リストから手動で削除していくのは現実的ではありません。
そこで推奨されるのが、メール配信ツールの導入です。
メール配信ツールを導入すると、これまで多くの時間を費やしていたバウンスメールへの対応が自動化され、業務が格段に楽になります。
・バウンスメールの自動検知と分類 具体的には、システムが自動でバウンスメールを検知し「宛先が存在しない」といったハードバウンスか「相手のメールボックスが満杯」といったソフトバウンスかを自動で分類してくれます。 これにより、エラーメールを開いて内容を目で確認する必要がなくなります。 ・配信停止リストへの自動登録 「宛先が存在しない」などの恒久的なエラーとなったメールアドレスを、自動的に配信リストから除外(配信停止)してくれます。 手動でリストを修正する手間がなくなり、常にクリーンな配信リストを維持できます。 ・エラー原因の可視化と分析 どのような理由でどのくらいのバウンスが発生したのかを、ダッシュボードやレポートで簡単に確認できます。 今後のリスト管理やメールコンテンツ改善の分析にも役立ちます。 ・配信サーバー評価の維持 エラーの多い宛先への配信を繰り返すことを防ぐため、お使いのメールサーバーの評価が下がるのを防ぎます。 これにより、他の正常なメールが「迷惑メール」と判断されてしまうリスクを低減できます。 |
このように、メール配信ツールは手間のかかるバウンスメール対応を自動化し、担当者の負担を大幅に軽減してくれます。
手作業での対応に費やしていた時間を、メルマガ作成や効果分析といった本来注力すべき業務に充てることができるようになります。
もし、バウンスメールの管理に課題を感じているのであれば、メール配信ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます!
バウンスメールを迅速に対応しない場合、迷惑メールやスパムメール扱いを受け、メールをブロックされてしまう可能性が高まります。
バウンスメールの主な原因と具体的な対応策は、以下の通りです。
種類 | 主な原因 | 対応策 |
ソフトバウンス | 受信ボックスが満杯 | 時間を置いて再送する。(受信者側の対応が必要) |
メールサイズが大きすぎる | ファイルを圧縮する、分割して送る、クラウドストレージを利用する。 | |
相手サーバーがダウン | サーバーが復旧するまで待つ。 | |
ハードバウンス | メールアドレスが存在しない | エラーになったアドレスを配信リストから削除する。(リストクリーニング) |
スパムメールと判定された | 送信ドメイン認証(SPF・DKIM)を設定し、メールの信頼性を高める。 それでも改善しない場合は、メールの件名や本文の内容、配信方法などを見直す。 |
バウンスメール対策は難しく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば大丈夫です!
特に、メール配信ツールを使えば、作業の多くは自動化できます。
もし現状の運用が「大変だ」と感じたら、それはツールの導入を検討する良い機会です。
この記事が、皆さまのメール配信をより安心で快適にするきっかけになれば、嬉しいです!
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この記事のライター
宇都宮凛奈
ライターとしてまだまだ成長中。いろんなデザインを見るのが好き。空と海の写真を撮るのが趣味。

この記事の監修

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