企業のX(旧Twitter)運用を担当していると、投稿を増やすほど、ユーザーに届く機会が増えてインプレッションやエンゲージメントが増加するのは想像できますよね。
その一方で、1日に何度も投稿しているにもかかわらず、いいねやフォロワーがあまり増えていないアカウントを見かけることもあります。
もしかすると、投稿を増やすことでインプレッション(表示回数)は増えても、フォロワーがすべての投稿に反応しきれなかったり、投稿が多すぎて避けられたりして、かえってエンゲージメント(反応)が下がってしまうという事態も考えられます。
日々のタスクに追われながら投稿数を増やすのは、担当者にとって大きな負担です。
本当に成果が出るのか、どんな運用をしたら効果が出るのか気になりますよね。
そこで今回は、1日の投稿数を最大9投稿まで増やして、インプレッションとエンゲージメントにどのような変化をもたらすのか、検証してみました!
エンゲージメントとインプレッションの推移から、改善点まで全て公開します!
ページコンテンツ
検証内容

検証は、1日の投稿回数を「2回」「3回」「5回」「9回」の4パターンに分け、それぞれ7日間(月曜日から日曜日まで)継続して投稿した際のデータを比較する形で行います!
検証に使用するアカウントは、株式会社コンビーズ(メール配信ツールを提供するBtoB企業)です。
計測する指標は、投稿の成果を測る上で基本となる「インプレッション数」「エンゲージメント数」「エンゲージメント率」の3つです。
これらの数値は、Xプレミアムで利用できる公式のアナリティクス機能を用いて確認します。
【指標についての解説】 インプレッション数は投稿がユーザーのタイムラインに表示された回数です。 エンゲージメント数はいいねやリプライ、クリックなど、ユーザーからの具体的なアクションの合計数です。 エンゲージメント率は、エンゲージメント数をインプレッション数で割った数値で、投稿がどれだけユーザーの関心を引いたか、つまり「投稿の質」を測るための重要な指標となります。 |
1日2投稿の場合

【投稿の内容】 ・朝の挨拶(10時台) ・おやつ(15時台) 全て画像付きで投稿します。 |
投稿内容として、今回は多くのビジネスユーザーがXを利用する時間帯を狙い、朝の挨拶と午後の休憩時間に合わせた投稿を試します。
【朝の挨拶】
【おやつ】
これらの投稿内容は、企業公式アカウント運用の王道パターンとして知られています。
特に「#企業公式が毎朝地元の天気を言い合う」や「#企業公式おやつ部」といった人気のハッシュタグを活用することで、効果を高めることが期待できます。
これらのハッシュタグは、多くの企業アカウントが参加しているため、ハッシュタグを辿ってきたユーザーや他の企業アカウントからの反応を得やすくなります。
【結果】
2投稿 | |
インプレッション数 | 3,984 |
エンゲージメント数 | 943 |
エンゲージメント率 | 23.6% |
この数値を基準として、投稿数や内容を変更した際に、成果がどのように変化していくのかを比較していきます!
1日3投稿の場合

【投稿の内容】 ・朝の挨拶&こんびーちゃんを探せ(10時台) ・おやつ(15時台) 全て画像付きで投稿します。 |
【こんびーちゃんを探せ】
「こんびーちゃんを探せ」は、企業公式キャラクターである「こんびーちゃん」がどこにいるかを当てるクイズで、キャラクターの認知度拡大を目的とした参加型のコンテンツです。
【結果】
2投稿 | 3投稿 | |
インプレッション数 | 3,984 | 4,961 |
エンゲージメント数 | 943 | 1,151 |
エンゲージメント率 | 23.6% | 23.2% |
1日2投稿の時と比較して、インプレッション数は3,984から4,961へと約1,000も増加しました!
投稿回数を増やすことで、より多くのユーザーのタイムラインに表示される機会が増え、アカウントの認知度を高める上で効果的であることがわかります。
エンゲージメント数も943から1,151へと着実に増加しました。
一方で、エンゲージメント率は23.6%から23.2%とわずかに減少していますが、これはインプレッション数が大きく伸びたためであり、一概に悪い結果とは言えません。
「こんびーちゃんを探せ」の企画に毎回参加してくれるフォロワーさんが増え、返信数が増加したことは大きな成果です。
それに伴い、プロフィールへのアクセスも増えており、アカウントへの関心が高まっていると考えられます。
1日5投稿の場合

【投稿の内容】 ・朝の挨拶&こんびーちゃんを探せ(10時台) ・リモートワークのつぶやき(13時台) ・おやつ&マーケティング豆知識(15時台) リモートワークのつぶやき以外は、画像つきで投稿します。 |
【マーケティング豆知識】
ターゲットであるメルマガ利用者を意識した「マーケティング豆知識」の投稿を増やしました。
専門的な内容になるため、幅広い層からの反応は得にくいかもしれませんが、サービスの利用につながりやすいユーザー層へ直接アプローチするコンテンツとして、どのような反応があるかを試みました。
【リモートワーク】
「リモートワークのつぶやき」も増やしました。
これまでの画像付き投稿とは異なり、あえてテキストのみで投稿することで、どのような違いが生まれるかを検証する狙いです。
また、当社の強みであるフルリモートという働き方を発信することは、企業のブランディングや採用活動にも良い影響を与える可能性があると考えました!
【結果】
2投稿 | 3投稿 | 5投稿 | |
インプレッション数 | 3,984 | 4,985 | 7,581 |
エンゲージメント | 943 | 1,156 | 1,421 |
エンゲージメント率 | 23.6% | 23.1% | 18.7% |
結果は、1日2投稿、3投稿の時と比較すると、5投稿ではインプレッション数が7,581と、3投稿時の4,985から2,000以上も大幅に増加しました。
エンゲージメント数も1,156から1,421へと約300増加しており、投稿数を増やした分だけ、より多くのユーザーに情報を届け、反応を得られたことが分かります。
一方で、エンゲージメント率は23.1%から18.7%へと低下しました。
これは、投稿数を増やす際によく見られる現象です。
投稿頻度が増えることで、一つひとつの投稿に対するユーザーの反応が分散した可能性が考えられます。
しかし、懸念していた「マーケティング豆知識」の投稿は、全体のインプレッション数は低いものの、エンゲージメント率16%という良い数値を記録しました。
これは、ターゲットとして設定したユーザー層に的確に届き、質の高いエンゲージメントを生み出せている証拠と言えます。
最終的な目標であるコンバージョンに近いコンテンツでこの結果を得られたことは、非常に大きな収穫です。
テキストのみだったリモート投稿の結果も、コンバージョン率25%と高い数値でした!
1日9投稿でどんな結果が出るか、楽しみですね!
1日9投稿の場合

【投稿の内容】 ・朝の挨拶&こんびーちゃんを探せ(10時台) ・リモートワークのつぶやき&自由な内容(13時台) ・ネタショート動画&自由な内容(14時台) ・おやつ&マーケティング豆知識(15時台) ・お疲れ様の挨拶(17時台) リモートワークのつぶやき以外は、画像つきで投稿します。 1週間継続できる運用を意識して、2投稿は内容を自由にしました。 |
【お疲れ様の挨拶】
今回の検証では、他の企業アカウントでもよく見られる「お疲れ様の挨拶」を投稿のレパートリーに加えました。
これは、単なる情報発信だけでなく、フォロワーとのコミュニケーションを活性化させる狙いがあります。
【ネタショート動画】
また、新たな試みとして、5秒程度のネタショート動画も投稿してみました。
1週間で63投稿もあると、ネタ出しにかなり苦労しました(笑)
【結果】
2投稿 | 3投稿 | 5投稿 | 9投稿 | |
インプレッション数 | 3,984 | 4,985 | 7,581 | 9,119 |
エンゲージメント | 943 | 1,156 | 1,421 | 2,103 |
エンゲージメント率 | 23.6% | 23.1% | 18.7% | 23% |
投稿数を増やした結果、インプレッション数とエンゲージメント数が大幅に増加しました!
注目すべきは、5投稿の際に落ち込んでいたエンゲージメント率が回復した点です。
この要因として、投稿内容の多様性が考えられます。
5投稿の際は毎日同じようなコンテンツが続いたため、ユーザーの関心が薄れてしまった可能性があります。
対して9投稿では、内容を固定しない日替わりの投稿を織り交ぜたことで、飽きさせない工夫が功を奏したと推測されます。
特に、こんびーちゃんを活用した日常投稿は60いいねと、良い反応を得られました!
一方で、ネタショート動画のエンゲージメント率は10〜15%と決して悪くないものの、インプレッション数が伸び悩む結果となりました。
朝の投稿などの動画では60以上のいいねを獲得したものもあったため、動画コンテンツ自体の需要はありそうです。
今後は、投稿時間や投稿文の最適化など、さらなる改善が必要になりそうです!
検証結果!

少なくとも9投稿まではインプレッションとエンゲージメント数は比例して上がり続けました!
何度も目にすることで、アカウントへの親近感を持ってもらいやすくなる効果も期待できます。
特にアカウントの立ち上げ初期や、集中的に告知したいことがある場合は、投稿頻度を高めるのが効果的です。
まずはアカウントの存在を知ってもらう、良いきっかけ作りになります。
ただし、投稿数を増やす際には、三つの注意したいポイントがあります。
一つ目は、あまりに投稿が多すぎると、フォロワーが情報過多だと感じ、数値が下がってしまう可能性があるということです。
9投稿までは順調でしたが、これ以上の投稿数は未知数です。
過度な投稿数は控えた方がいいかもしれません。
二つ目は、投稿を作成するコストとのバランスを考える必要があります。
担当者にとっては、質の高い投稿を毎日続けるのは、なかなか大変な作業です。
無理のない範囲で継続できる投稿数を見極めることが、運用を成功させるコツと言えるでしょう。
三つ目は、投稿数を増やせばエンゲージメント率が上がるわけではないということです。
投稿の回数を増やしてもエンゲージメント率を維持するためには、ユーザーを飽きさせない新しいコンテンツを届ける工夫が大切になります。
もし投稿のネタに迷ったら「#今日は何の日」を活用するのがおすすめです。
【今日は何の日?】
インターネットで検索すれば、その日の記念日が見つかります。
このハッシュタグ経由で、普段は届かないユーザーに投稿を見てもらえるチャンスが生まれるので、ぜひ試してみてください。
【お花とこんびーちゃん】
普段の投稿とは少し違う切り口を試してみることも、思わぬ発見につながります。
今回でいえば、普段の朝の投稿は「こんびーちゃんと空」の投稿だったものを「「こんびーちゃんと花」の投稿に変えたところ、68いいねと高い数値を出し、新たな需要を見つけました。
例えば、いつもと同じような構図の写真ばかりでなく、たまには季節感を取り入れたり、背景を変えてみたりするのもオススメです!
そんな少しの変化で、ユーザーからの反応が変わり、エンゲージメントが向上することもあります。
「こういう投稿が評価されるんだ」という発見は、今後の運用方針を決める上で大きなヒントになります!
まとめ
この記事では、企業Xアカウントで投稿数を増やした時のインプレッションとエンゲージメントの変化を調査してみました!
投稿数を増やすと、インプレッションとエンゲージメントが比例して増えることがわかりました。
しかし、ただ投稿を増やすだけでは、エンゲージメント率が下がってしまうこともあります。
成功の鍵は、投稿数を増やしつつも、クイズや動画、豆知識など投稿内容を多様化させてユーザーを飽きさせないことです。これにより、全体の反応を高めることができます。
結論として「投稿の量」と「内容の多様性(質)」のバランスが重要です!
ぜひこの記事を参考に、企業Xアカウントを一緒に盛り上げていきましょう!
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この記事のライター
宇都宮凛奈
ライターとしてまだまだ成長中。いろんなデザインを見るのが好き。空と海の写真を撮るのが趣味。

この記事の監修

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